更新日 2023/11/21
最近の為替円相場が1ドル=150円を超えてきています。
過去の値動きを見ても歴史的な円安局面と言える水準であり、米国の利上げに伴う日米の金利差拡大が要因とされていますが、
「海外で稼いだお金が戻ってこない」問題も影響していると言われています。
一時的な円安ではなく、恒常的にお金が海外に流出する「円弱」時代が近づいているかもしれません。
今後の動きを考える前に、基本事項を確認しましょう。
円相場を動かす基本要因は2つあります。
①円とドルの金利差
②貿易や海外投資に伴うお金のやりとり
①円とドルの金利差
米国はインフレを抑制するため、2022年にゼロ%台だった政策金利を5%まで引き上げました。
かたやマイナス金利政策を掲げる日本との金利差は大きく開き、高金利のドルへとお金がシフトし、2022年10月、32年ぶりに1ドル=150円台をつけて以降、節目を超えて円安となるのが珍しくなくなりました。
②貿易や海外投資に伴うお金のやりとり
かつて輸出大国だった日本は多額の貿易黒字や投資に伴う利益を海外で得ており、そうして稼いだ外貨を円に戻す動きは円安を相殺する役割を担っていました。
円相場をめぐる環境は変わりつつあり、原油などの資源価格の高騰により輸入が増え、ここ数年は貿易赤字が当たり前になりました。
それでも企業が海外投資で得た利益はなお膨大であるため、海外との総合的なお金のやりとりを示す経常収支は黒字を保っています。
問題は海外投資で稼いだ利益が円に戻りづらくなったことです。
金利差だけでなく貿易や投資に伴うお金のやりとりも円売り要因になる時代です。金利は景気循環に伴って上下するため、やがて円安圧力としては和らぐ可能性が高いと見込まれます。
しかし貿易や投資に伴うお金は、日本よりも成長期待の大きい海外にとどまっており、円が弱い時代は今後も続く可能性があります。
こうした基本的な要因を踏まえた上で、3つのポイントをご説明致します。
Q1. そもそも円安は問題なのか?
円安は日本が輸出する製品の価格競争力を高めるため、有益とする考えが主流でした。現実に2023年春以降、日経平均株価はバブル後の高値を超えるなど円安と株高が連動している面もあります。
しかし、最近の円安局面は輸入物価が大幅に高騰しているのに輸出は増えず、負の側面が目立つ「悪い円安」と指摘する声も多いです。
Q2. 今後の相場はどう動く?
円相場は短期的に金利差の影響を受けやすいです。米国は2024年にかけて利下げに転じると予想されており、現在の円安局面はいったん収まると見られています。
ただし、中長期的な相場動向に影響する貿易や投資に伴う円買いは、今後も限定的なものになりそうです。
2011年に記録した1ドル75円台の最高値の円高は見込みづらい状況と言えます。
Q3. 政府や日銀はどうする?
政府や日銀が警戒するのは、経済政策や企業戦略、消費行動の前提が大きく崩れてしまう急激な円相場の変動です。
政府は急激な変動を止める目的で値動きと反対の売買注文を出す「為替介入」を実施する事があります。
現在のような円安局面では、経済実態と乖離して円売りが加速していると判断すれば、円買い加入に動く可能性があります。
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イオンタウン郡山店 窓岩
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