株価急落時の心得 投資初心者がするべき行動とは?

更新日  2024/08/14

ブラックマンデーの再来?過去最大の下落のとき投資家たちの反応は

8月の株価の急激な変動。下落から一気に上昇へ転じている。

8月2日から5日にかけて、日経平均株価が急落しました。

37,737円だった平均株価は31,156円にまで暴落。

各メディアもこぞって報道し、「株価大暴落」「ブラックマンデー越え最大の下落幅」と不安を煽るような見出しが並びます。

ネット上では、投資初心者たちがこれ以上損失を拡げまいと慌てて資産を売却するという様子が散見されました。

売りが売りを呼ぶこの状況を専門用語で「狼狽売り」と言います。

ところが、8月6日には反転し高騰。

8月14日現在では36,683円にまで上昇し、下落前とほぼ同水準にまで戻っています。

結果、狼狽売りした人たちだけが損をした形となりました。

最近になり、新NISAやiDeCoなどで恐る恐る貯蓄から投資へ一歩踏み出した皆さんは、とても驚いたことと思います。

ですが、長く投資をしている人たちは焦っていません。

株価の変動はこんなもの」と考えています。

 

株価急落時に投資初心者は何をすべきか?

答えは「何もしない」です。

誤解を恐れず言うと、個人で少額の積立投資をしている方が株価の変動に対してできることは何もありません。

株価の変動に一喜一憂して、ちょっと株価が上がったら売る、株価が暴落したら売るといったことをするのは絶対に避けなければいけません。

それには理由があります。

 

すぐ売ってはいけない理由①・・・暴落は積立投資の大好物

毎月決まった金額を決まったタイミングで買い続ける積立投資家にとって、株価の下落はメリットです。

1,000円で1個100円のリンゴを買うときは10個しか買えません。

しかし旬を迎え1個50円になれば倍の20個買うことができます。

旬を外れると1個200円になり、半分の5個しか買えません。

株価の下落は、果物でいうところの旬です。

「1個200円の時は買わずに、50円の時に2,000円分買えばいい!」と思う方がいるかもしれません。

ですが、50円で買った次の日に1個10円まで相場が下がったらどう思いますか?損をしたと思いますよね。

200円で買った次の日に1個1,000円に高騰したら?得をしたと思うでしょう。

株価の変動を正確に読むことは誰にもできません。

だからこそ「ドルコスト平均法」という手法で投資をすることをオススメします。

この手法は常に一定の金額、タイミングで購入することでリスクを減らすことができます。

ドルコスト平均法での投資では、株価の下落は最高の養分となります。

金融庁発行 はじめてみよう NISA早わかりガイドブックより

 

すぐ売ってはいけない理由②・・・今すぐ現金が必要なわけではない

株価が下落すれば、保有している株や投資信託の価値が下がり「損をした」と感じるでしょう。

しかし、あくまでも「含み損」と言われる状態です。

「含み損」とは「今売却したらこれだけの損失が出る」という仮定であり、まだ損をしたわけではありません。

証券会社に所属するプロ投資家たちは、四半期ごとに実績を出さなければいけません。

そうしたプロたちは、マイナスを最小限にするために下落局面ではすぐ売却します。

「売りが売りを呼ぶ」とはプロ投資家たちをきっかけに始まります。

ですが、個人で投資をしている皆さんは実績を出す締切がありませんから、株価が戻るまで待っていれば良いのです。

投資の神様と呼ばれるバフェット氏も、株は企業が健全であれば一生持ち続けると言っています。

売るタイミングは本当に資金が必要になった時です。

 

株価が落ち着いてから投資を始めようとしている方へ

仮にバブルの絶頂期に投資を始めたと仮定します。

1989年、株価は38,915円でした。

この時一括投資をした人は、8月14日の36,683円で売却すれば約6%の損失となります。

しかし、ドルコスト平均法で積立投資をした方は、1989年~2024年の間に合った安い相場でコツコツ買い続けた養分があります。

今売却すればとてつもない利益を生むことでしょう。

「株価が乱高下している今は怖いから落ち着いたら始めよう・・・」

とデビュー前の方は考えるかもしれませんが、意味はありません。

積立投資におけるスタート時の株価は影響はほとんどありません。

大事なのはコツコツ買い続けた資産を、いつ売却するかです。

 

売却するときもコツコツと

投資の始め方や買い方についての解説はたくさんありませんが、「終わり方」についての説明はあまりありません。

なるべく株価が高い時に売ることが出来れば良いのですが、明日の相場がどうなるかは誰にも分かりません。

買うときと同様、売るとき一定の量を一定のタイミングで売却することをオススメします。

この手法を「定量売却法」と言います。

100口の株(または投資信託)を毎月1日売る、といった方法です。

買うときに紹介したドルコスト平均法とは真逆です。

ドルコスト平均法は売買する金額が一定で、売買する口数はバラバラです。

定量売却法は売買する金額はバラバラですが、口数は一定です。

 

長期投資中は相場を見ない!

ドルコスト平均法で積立投資をすると決めたら、株価はチェックするだけ無駄です。

上がろうと下がろうと決まった買い方をするだけですし、現金化するのは何年も後のことです。

途中、含み益や含み損がいくら発生していようと関係ありません

それなのに株価をチェックして喜んだり落ち込んだりしても、疲れるだけです。

投資を始めたら、そのことを忘れるか気絶していた方が良いでしょう。一部では気絶投資法と言われています(笑)

 

投資に完璧な正解はありません。

ただ、事前に知っておけば損する確率を低くできる知識はたくさんあります。

「どんな投資が良いのか」「どれくらい投資しても大丈夫なのか」

「投資をし始めたが内容を見て欲しい」といった相談はお任せください。

ファイナンシャルプランナーの資格を持つスタッフが優しく教えます。

郡山本店 吉田